連載「○○×橋本 直征」 赤松 珠抄子さん×橋本 直征 interior(n)interview Vol.10-2

橋本氏にとって"師匠"にあたる赤松 珠抄子さんとのトーク企画。
前編ではご自身のことや橋本氏がアシスタントとしてやって来た頃のエピソード、手掛けた仕事、そしてお二人にとって縁のある"カメラ"をテーマにトークをしていただいた。

続く後編では、空間、建築をテーマに世界各地へ足を運んでいる赤松さんに、もう少し"旅"のお話を聞かせていただこうと思う。
"赤松さん流"旅のスタイルとは?旅を楽しくするためのヒントを交えながら、教えていただく。

interior(n)interview 旅先で訪れるのは、名もなき名建築空間

現在の赤松さんは、フォト・エッセイストとして取材旅行に出かけることが多い中、その仕事を終えたあと、予備日として数日取り、個人的に行ってみたい場所への旅も続けているのだとか。

「地方の小さな村や国境の村、森や渓谷のさらに奥にある村など、同じ国内でも1日以上かかるような場所が好きですね。
とは言っても、ただ奥地だからというのではなく、そういった場所には、その地ならではの、その気候だからこそ生まれた、建築様式や暮らし方があって、それを自分の眼で見て、体感したくて行くのです」


田舎ばかりでなく都市でも、当時の職人さんの想いが手仕事として残る、数百年前のまま取り残されたような建物。建てた人の趣味が全面に出たオリジナリティを感じられる、個人的な建物。そういう空間には身震いするものがあり、非常に惹かれるという。
赤松さんが旅先で訪れるのは、まさに"名もなき名建築空間"なのである。ではそういう貴重な場所を、どのように見つけるのだろうか?

「個人的に現地を研究されている方のレポートなどがWEB上で公開されていることがあり、そういったところからも情報を集めます。
そして時には、実際に書いた方とやり取りをして詳細を教えてもらうこともあります。とはいえ、もともと情報がそれほどあるわけではないので、いいと思えたら、実際に足を運ぶんです。
だから行って良かったなと思うところもあれば、たとえば"秘境"とうたっている場所でも、行ってみるとイメージとは違ったというところもありました。立地はそうでも空気感が違うんですね」


"情報があまりない場所"というのは、旅先に選ぶ条件のひとつになっているそうなのだが、そのほかにも"国の名前を聞いてイメージできない場所"、"世界一○○な場所"というところにも惹かれるのだとか。
実際に赤松さんが足を運ばれたことがある「ブルネイ」も、それがきっかけで興味を持ち、水上生活者の村を訪ねる旅へとつながったのだという。
しかもブルネイに向かうところで、思いがけないハプニングに見舞われたことが、振り返ってみると良い思い出になっているのだそう。


写真:ラブアン島からブルネイへ行きの船
©MISACO AKAMATSU(fynbos lab.)


「この時は、まずボルネオのコタキナバルから飛行機でラブアン島へ行き、そこから船でブルネイを目指したのですが、ラブアン島で足止めされてしまって。海が荒れてるから全日欠航だというんですね。全然そんな様子ではないんですが、今日船は出ないの一点張りなので仕方なく諦め、ここに一日滞在することにしました」


マレーシアにあるラブアン島は、日本と比べると物価が安いうえ、免税の島。せっかくだから贅沢に過ごしてみようか!と思い立った赤松さんは、ラブアン島での一日を満喫する方向へ切り替えていったという。

「まず島内で一番、海沿いに建つ良い立地のホテルに電話をして、海沿いにテラスがパーッと広がる部屋を取りました。日本だと同じ条件ではとても泊まれない値段でしたね。
そして酒屋さんへ行き、ピンクのシャンパンや地元のビール、ワインを購入。こちらもやっぱり頬が緩むほどの安さでしたよ。
それからホテルに戻ってルームサービス。海の幸が新鮮なところなので、もちろんシーフードのサラダやピザをオーダーしました。窓を全開にすると風が心地良くて、思いがけず優雅な一日を過ごすことができました」


普段は、せっかく訪れるのに見落としてしまうのが嫌で、旅行前には綿密な予定を立てるという赤松さん。でもふいに空いた一日を思い切って方向転換して過ごすのも悪くないと語る。

「良くも悪くも何か起これば、それごと受け入れていくと、結局旅を満喫できるものです。ハプニングが起こったことで、その時の思い出が印象深くなることもありますしね」

赤松さんは懐かしそうにその時のことを振り返る。結果的に、このラブアン島での一日があったことで、次の日からまたブルネイで歩き回り、いろんな場所を訪れる良い活力にもなったのだそう。
そして話は、ブルネイの水上生活の村、カンポン・アイール(※)での出来事へと続く。
(※カンポン・アイール...ブルネイ川の流域に広がる水上集落のこと)


写真:ブルネイの水上集落一帯
©MISACO AKAMATSU(fynbos lab.)

「ずっと興味があった水上生活の村で、家の中も見せてもらえることになって。家自体は木造の高床式のようなものなのですが、中は割と豪華絢爛でした。液晶テレビも冷蔵庫もありましたよ。
家同士は渡り廊下のように板でつながっていて、学校や教会、役所、消防署などもみんなこのカンポン・アイールにあります。だから住人に話を聞くと、ここは便利で引っ越せないと言うのです。ボルネオの水上生活者たちも同じことを言っていましたね」


写真:水上生活者の家のリビング
©MISACO AKAMATSU(fynbos lab.)

写真:渡り板で繋がっている家々
©MISACO AKAMATSU(fynbos lab.)


台所から魚を釣ってすぐさばけるなど、水上生活ならではの利点を生かして暮らしているカンポン・アイールの住人たち。私たちのものさしで考えると驚くばかりだが、彼らの基準ではこれが居心地の良い生活。ここにしかない彼らならではの暮らしだ。

旅先でも地元の人に話を聞いたり、建物や住宅の中を見せてもらったりと、アクティブに動くのが赤松さんの旅のスタイル。「日頃旅の様子を聞くたびに、先生の行動力には驚かされています」と橋本氏も話す。
そんな赤松さんの旅で重宝しているのが、日本から持って行くちょっとしたおみやげだという。

「現地で地元の人と知り合うことも多いので、日本のお茶や和菓子、飴、梅などを持って行きます。話のきっかけになるんですよ」

時には郵便局で、ロゴ入りボールペンを使っていたので見せてもらい、「かわいい!」と褒めたら、「あげるよ」ともらったこともあるのだそう。そういう時に日本のお菓子などをお礼としてあげるという。日本からのおみやげはどこの地でも喜ばれるのだとか。

そのほかにも赤松さんにはいくつか旅の中でのスタイルやこだわりがあるという。
まずは、宿泊するホテルについて。

「泊まるホテルは行く前にものすごく調べて、先方にもメールをして、いくつかやり取りをしてから決めています。選ぶ基準は、まずは古く歴史があること。そして、個人または家族経営のようなタイプだと理想的ですね。なぜなら、ここにしかない個性あるインテリアの確率が高いからです。
ちなみに自分がいいなと思えたら、星などの評価はまったく気にしません。逆に星が多くても、古き良き建物を無視して、ベタベタなリノベーションをしているホテルも多いので、そういうのに出会うと残念でなりません」

インテリアデザイナーの赤松さんらしい視点だ。
実際、邸宅をリノベーションした5つ星ホテルにがっかりし、予約をキャンセルして他の小さなホテルに移った経験があるという。


続いて、赤松さんが必ず足を運ぶ場所や旅先での食についても教えていただいた。
「主要目的のほかに必ず行くのは、市場や郵便局、スーパーなど。その地でしか出会えないものを探しに行くのです。なるべく歩き、バスや電車にも乗りますね。
また食事はローカルフードか、市場で買ったレタスとミニトマト。地元の料理がおいしいとつい食べ過ぎ飲み過ぎてしまうので危険。体調管理のために、常にレタスとミニトマトは持ち歩いています。これを夕食にすることもあります。
そして、お茶は私にとって必需品なので、電気ポットを必ず携帯しています」


訪れた地でしかできない過ごし方で旅を満喫する赤松さんは、旅先で自分なりに快適に過ごす方法もしっかり熟知されている。私たちは旅をするとつい欲張りになってしまいがちだが、リラックスすることも旅先での有意義な過ごし方ではないだろうか。


さて次の章では、もう少し赤松さんにとっての"旅"そのものに迫っていきたいと思う。
学生時代、赤松さんが最初に訪れた国は、ギリシャだったという。そこから今の仕事につながっていったきっかけなどは、あったのだろうか?そのあたりについても語っていただく。

interior(n)interview 原点は、良い人に出会えていること

今では"旅をすること"が仕事にもなり、海外の魅力的な地へと足を運び続けている赤松さん。
そんな赤松さんが最初に海外へ旅したのは、学生時代の頃。多くの人がそうであるように「日本以外の国を自分の眼で見てみたい」そんな想いを赤松さんも持っていたのだそう。
ただ赤松さんは"旅に行く"というよりは、"ギリシャに行きたい"という想いが強かったと当時を振り返る。それほどまでにギリシャに魅力を感じていたわけとは何だったのだろうか?

「美大受験の時に石膏像の絵を描くのですが、アポロ(石膏像)を描いた時に自分の画風が変わったくらい、アポロを感じられたのです。そんなアポロに会いたい、その想いから、最初に行く国は絶対ギリシャにしよう!と決めていました」

そして大学生になり、自分で貯めたお金で念願のギリシャへ。現地では"ホテルアポロ"に宿泊し、大好きなアポロの彫刻も買ってきたのだとか。アポロへの愛ひと筋で、ギリシャ行きを決めた赤松さんに、この旅での思い出深いエピソードをうかがった。

「この時は学生でお金もなかったので、食にこだわるより遺跡や街を観てまわっていました。
だから食事は、ホテルのとなりにあったハンバーガーショップ。毎日そこで買うのはハンバーガー1つだけでした。なのにある時から、帰って袋を開けるとポテトやチキンが入っているのです。店員さんがサービスで入れてくれていたんですね。
それがきっかけで仲良くなり、旅の最後、一緒に記念写真を撮って連絡先を交換してから、今も文通が続いています」



赤松さんが旅のあとに今でもやり取りが続いている方は、実はこのギリシャの方だけではない。その後の旅で訪れた先で出会った数カ国の方々と、20年にわたりつながっているのだという。
中には飛行機の中で隣同士になった人とのつながりもあり、橋本氏も中目黒で一緒に食事をしたことがあるのだとか。



「旅の中だけでなく終わってからも、何かしらの関係が続いているというのは、とてもステキな旅だった証拠だと思います。そういう旅は今までになかったので憧れますね」


と橋本氏。そしてこのような人とのつながりが続いていることに対し、赤松さんは次のように話す。

「今も文通が続くような良い人に出会えていることは、現在の仕事に関係しているのかなと思います。地元の人と仲良くなると、観光客が行かないような場所に連れて行ってくれるんです。そういう、その地ならではの魅力を知ったことも、今の取材テーマにつながっているのかもしれませんね」

一人旅をしていると、自分の身は自分で守らないといけない。赤松さんもその点では人を見る目を敏感にしているという。だからこそ、そういう中で彼らのような人たちに出会えることが旅の醍醐味だとも語る。
こんなふうに、赤松さんにとって大切な出会いをもたらしてくれる旅。今は"仕事として"が大半だとは思うが、そもそも赤松さんが旅に出る理由とは何なのだろうか?

「仕事を抜きにして考えると、自分の中の"自分"容量が減りすぎて、自分を見失いそうになった時、旅に出たいと思いますね。
前世の魂が世界中に落として行った自分の欠片、つまり今の自分に足りない部分を拾って歩くために出かけている気がしているのです。なのでそういう時は、行き先が何となく浮かんでくるんですよ」


私って何なんだろう?このままでいいのかな?など、自分と向き合い悩んだことは誰しもあるのではないだろうか。そういう時の復活の仕方は、人それぞれにあると思うが、赤松さんの「自分の欠片を拾って歩いている」は言い得て妙。まさに旅とともに生きている赤松さんらしい表現だ。

interior(n)interview 旅先でその地らしさを楽しむヒント

赤松さんから旅の話を聞かせていただく中で、橋本氏は「自分は本当の意味での"旅"をしたことがないかもしれません」と語っていた。"その地の真の姿を体感する"ということで考えると、橋本氏と同じかもという方もいらっしゃるのではないだろうか。

ここでは、旅のエキスパートともいえる赤松さんに、旅先でその地らしさを楽しむためのヒントをうかがっていく。 まず1つ目は、何かテーマを持って集めるということ。

「ひとつでもいいので、何か撮り続けるものや集め続けるものがあると、単発の旅行でもつながってくるので楽しくなると思います。
私は、たまごパック・紙袋・ビニール袋・缶・ボトル・牛乳パック・郵便局の箱などを集めているので、旅先では意外と忙しくなってしまいます(笑)。
もう20年以上も集め続けていて、広げてみるとひとつひとつに歴史があり、思い出すことがたくさんあります」


人からは"ゴミ"と言われてしまうこともあるそうだが、赤松さんにとっては"宝物"。しかもそれらは粗雑な素材であることが多いので、今となっては貴重なものがあるのだという。日常の暮らしの中で使われている何気ないものを集めているというのは、旅先で"その地の真の姿を体感する"赤松さんらしい楽しみ方だ。
実は取材当日、橋本氏が旅先で手に入れたので...と赤松さんに、あるペーパーナプキンを渡していた。今では自分で集めるだけでなく、周りの人からおみやげとしていただくこともあるのだとか。

そしてもうひとつ、旅先で赤松さんが必ずやっていることがあるという。それは自分宛のハガキを出すということ。

「自分宛に出すと、気に入ったハガキやスタンプを残すことができます。思い出にもなるので、オススメですよ」

何かを集めることも、現地から自分にハガキを出すことも、旅先でだけでなく帰ってからも楽しめ、次々と旅をすることが待ち遠しくなりそうだ。

そして2つ目は、その地の情報を広く知るということ。フランス、モン・サン・ミッシェルを例にお話いただいた。

「モン・サン・ミッシェルは、島内か島外か、どちらに泊まるのが良いか?という議論が多々行われています。
私は、外からの景色、そしてモン・サン・ミッシェルの地元のものに出会えることから、断然、島外派なのですが、皆さんにも島外のことをもっと知って欲しいと思っています。
島外のお店には、地元の方のハンドメイドのものがたくさんあるんですよ。たとえば、あるお店で見つけた、ホタテが練り込まれたパテ。おみやげに買って帰ったところ、もっと欲しい!とリクエストされるくらい喜んでもらいました」


写真:島外の"super MARCHE"で見つけた、魚介のパテ類
©MISACO AKAMATSU(fynbos lab.)

写真:地元で作られている素朴なお菓子
©MISACO AKAMATSU(fynbos lab.)

またモン・サン・ミッシェルの名物料理として知られる"プレ・サレ"。何軒か食べてまわった中で、赤松さんイチ押しのレストランのお話をうかがった。
ちなみに"プレ・サレ"とは、モン・サン・ミッシェルのふもとの草を食べて育った仔羊の肉料理。潮の満ち引きにより、ミネラルを豊富に含んだ草を食べて育った羊は、臭みが全然ないという。


写真:仔羊の骨付きロース肉のロースト ニンニク風味のクリーム ©MISACO AKAMATSU(fynbos lab.)


「ここのプレ・サレは、契約農家から仕入れているので、いつ行っても味が安定しています。
よく"塩味がする"という方がいますが、海水に浸った草を食べているから塩味がするわけではありません。だからといって、焼く時に塩・こしょうを振ることもしていません。
特別な草を食むことで、旨味が凝縮され締まった肉質になり、ただ焼くだけで味わい深い一品になります。だからこそ、焼き加減も難しいのです。
島外で食べたプレ・サレは、いくつかの調理方法で提供されていて、ソースも何種類かあるので、気になる一皿を、ぜひ味わってみて欲しいですね」



写真:潮が引いた時のモン・サン・ミッシェル裏側
©MISACO AKAMATSU(fynbos lab.)


第2の故郷と思えるくらい何度もモン・サン・ミッシェルへ足を運び、島内外どちらにも滞在し知り尽くしたうえで、率直に感じている魅力を皆さんにも広く知って欲しい。赤松さんはそう考えているという。

「旅行へ行く前には、ガイドブックだけでなく、率直なコメントのあるブログを見たり、現地へ直接問い合わせたり、あらゆる手段で情報収集し、現地で雰囲気確認をします。
日本でいくら良いと思っても、現地での空気感がパッとしなかったら、急遽変更することもあります。情報は必要ですが、それに惑わされることなく、自分の感性で選んで欲しいのです。
ただ時間もかかることなので、そう簡単ではありません。そこで私は"この人が言うなら..."と思ってもらえるような、実際に行ってみて良いと思えたモノやコトを発信したいと思っています」



赤松さんが"旅先でその地らしさを楽しむ"ために教えてくださった、2つの秘訣。いろいろな場所へ旅をすればするほど、出かけることが楽しくなり、自分らしい旅ができるのではないだろうか。

今回の取材の中で、死ぬまでに一度は行ってみたい場所について、話が挙がった。赤松さんが行きたいと思っているのは、イエメン、マダガスカル、ガラパゴスだという。
「どこも行ったことがないですし、僕たちにはあまり馴染みがない国ばかりです。なぜ行ってみたいのですか?」と尋ねる橋本氏に、赤松さんは次のように答えた。

「イエメンは砂漠地帯で、家や道路が土でできている街があります。建物や暮らしが非常に気になる国で未知な部分も多く、一度自分の目で観てみたいのですが、ひとりで行くにはちょっと治安が心配で。まだ足を運べていない国なのです。
マダガスカルでは、バオバブの木が連なる草原を実際に観てみたいです。自分の中でイメージはありますが、実際に身を置いて体感してみたいです。頭で想像した世界にはない、熱気や音、匂いがあいまって、今まで感じたことのない空気に出会える気がするからです。
そして、ガラパゴス。ここには、ガラパゴスリクイグアナに会いに行きたいのです。爬虫類が大好きで本当は飼いたいくらい(笑)
動物では、爬虫類、植物ではシダ・コケ類が好きで、私たちには考えられない色や形をしているところに惹かれるのです。自然が生み出すデザインには、いつも叶わないなと思わされます」


どこも足を運ぶには、すんなりとは行かなそうな場所ばかりだが、赤松さんの話を聞いていると不思議と興味が湧いてくる。たくさんの国の中から特にと選んでいただいたこれらの国へ、赤松さんが足を運ばれた暁には、また旅のお話をうかがいたいものである。


取材の最後に、「今後、旅に関連してやってみたいことはありますか?」と赤松さんに尋ねてみた。

「これまで出会って文通を続けている人たちに、もう一度会いに行きたいです。いつも旅先からハガキを出しているのですが、そうすると"私のところにはいつ来てくれるの?"と聞かれるのです。海外から日本に来てもらうにはなかなかハードルが高いので、私が訪ねていけたらいいですね」

赤松さんにとって、旅と人との出会いは切り離せないもの。まだまだその出会いは広がっていくだろう。そして赤松さんの言葉どおり、これまで続いてきた方々との再会もぜひ叶えて欲しいと思う。


そして今回の取材を終え、橋本氏は次のように語っている。
「人生はよく旅にたとえられることがありますが、先生の旅の話をうかがっていて、まさにそうだと思いました。"自分の欠片を拾って歩いている"という先生の言葉がとても印象に残っています。
今の時代、海外へ行くことはとても簡単で、さまざまな国の人たちとコミュニケーションを取る方法もいくらでもあります。だからこそいろんな国へ行って、できるだけ多くの人たちと接してみたい。旅には多くの可能性が秘められています。
今回の先生への取材を通して、僕もどこかへ旅に行きたくなったと同時に、懐かしい友人の顔が浮かび会いたくなりました。改めて人とのつながりの大切さを感じられた気がしています」

インテリアデザイナー、フォト・エッセイストとしてご活躍中

インテリアデザイナー、フォト・エッセイスト。
広島県安芸津町出身。武蔵野美術大学卒業後、出版社を経て、KiNG PROTEA (現 fynbos lab.ーフィボス ラボ 株式会社)設立。
インテリアデザイナーの視点で自ら写真を撮り、エッセイを寄稿している。インテリアや空間、建築をテーマに、世界中のその地ならではの住居や独特な建物を訪れている。特に、都市から離れた田舎や小さな村に残る独自の文化に魅せられている。

記事内でご紹介した、赤松さんイチ押しのレストラン「ル・プレ・サレ」

©MISACO AKAMATSU(fynbos lab.)
レストラン
名物料理が店名に、レストラン"Le Pre Sale"外観
レストラン
お気に入りの前菜、近海で採れた帆立貝とサーモン
レストラン
仔羊骨付きロースは目の前で取り分けてくれる

メルキュール・ホテルに隣接しているレストラン。新鮮なシーフードが充実しているのは勿論、地元特産の肉料理もオススメ。
ここで美味しかった料理が忘れられず、目の前にある"スーパー・マルシェ"で売っている瓶詰めを買って、お土産にしたことも。
日本語メニューもあるので注文もしやすい。

Le Pre Sale
BP8 Route du Mont-Saint-Michel
50170 Le Mont-Saint-Michel
TEL.+33.(0)2.33.60.14.18
http://www.le-mont-saint-michel.com/en/home

橋本直征氏 プロフィール

橋本直征氏

赤松珠抄子氏に師事後、2004年独立。
セットデザインから、プロップス、
インテリアスタイリングまで手掛ける。
主に広告、TV-CM美術、
雑誌などの分野を中心に活動。
また、ミュージックビデオや、
セレブリティの邸宅等も手掛け、
2009年からは、写真、立体作品、制作、
発表にも精力的に取組み
その活動は多岐にわたる。
http://naoyuki-hashimoto.com/

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